コラム

ネガティブ表現よりもポジティブ表現を意識する

 伝える内容が同じでも、表現の仕方ひとつで、受け取り手の気持ちが変わります。
 相手に気持ちよく伝えることができれば、その後のコミュニケーションが円滑になります。
 読み手に気持ちよく伝える方法のひとつが、「ポジティブ(肯定的、前向き)表現」を使うことです。

【ポジティブ表現の3つメリット】

  ①自分の気持ちが前向きになる
  ②相手の気持ちが前向きになる。やる気が起きやすい
  ③言葉の強さをやわらげることができる


・ポジティブ表現……「○○です」「○○してください」「○○する」

  「時間に余裕を持って会議に出席してください」

・ネガティブ表現……「○○ではない」「○○しないでください」

  「いかなる理由があっても、会議には絶対に遅刻をしないでください」

 どちらの例文も、「遅刻をしてはいけない」というメッセージです。
ですが、読み手が受ける印象は違います。ネガティブ表現は緊張感と萎縮を、ポジティブ表現や納得感とやる気を読み手に感じさせます。

 文章をポジティブ表現にする簡単な方法は、肯定文で伝えることです。
 肯定文で伝えると、否定文で伝えるよりも、相手は受け止めやすくなります。とくに「依頼」や「指示」をする際は、できるだけ肯定文にします。

・ネガティブ……「ゴミを分別せずに、そのまま捨てるのは禁止です」
・ポジティブ……「ゴミは正しく分別した上で、捨ててください」

・ネガティブ……「エレベーター内は密にならないように気をつけてください」
・ポジティブ……「エレベーター内は間隔を空けてご利用ください」

・ネガティブ……「9月13日以降は、一切、企画書を受け付けません」
・ポジティブ……「9月12日まで、企画書を受け付けます」

 犯罪などを抑止する強い目的がないかぎり、「ポジティブ」な表現を使ったほうが、読み手に「前向きさ」や「明るさ」を感じさせることができます。

参考:『社会人になったらすぐに読む文章術の本』(KADOKAWA)

   『日本人のための「書く」全技術【極み】』(翔泳社)

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プロフィール

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藤𠮷 豊

編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、男性情報誌、自動車専門誌、2誌の編集長を歴任。

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小川 真理子

編集プロダクションにて、雑誌や企業PR誌、書籍の編集・ライティングに従事。フリーになった後は、電通レイザーフィッシュにて企業のWEBサイトのコンテンツ制作に関わり(非常勤)、仕事の幅を広げる。

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