コラム

内面を磨くことが、文章を磨くことにつながる

 文章には、書き手の考えが反映されます。

イライラした人が書けば、攻撃的な内容になります。心穏やかな人が書けば、平和的な内容になります。

 たとえば、電車の中で赤ちゃんが泣いているのを見たとき、

「泣くな。赤ちゃんを公共交通機関に乗せるな。泣いたら親があやせ。いったん降りろ」

と書く人もいれば、

「どうしたって泣くときもある。子どもに不寛容ような社会であってはいけない」

と書く人もいます。

「赤ちゃんが電車内で泣いている」という現象はひとつです。その現象に意味を持たせているのは、書き手の価値観です。どの言葉を選んで、どのように表現して、どのような考えを披露するのか……。それは百人百様です。

 フランスの博物学者、ジョルジュ=ルイ・ルクレール・ド・ビュフォンは、次の言葉を残しています。

「文は人なり」

 文章には、書き手の思想や人柄があらわれている。文章を見れば、書き手の人となりが判断できる、という意味です。

 元朝日新聞記者の辰濃和男さんも『文章のみがき方』(岩波書店)の中で「結局は『内面』の深さがものをいうのではないでしょうか」と指摘しています。

 

しっかり自分と向き合うことができている人は、少しくらい表現が稚拙でも、読者の心を打つことができます。

 反対に、テクニックをどれだけ磨いても、生き方がブレていれば、文章もブレてしまいます。

テクニックやロジックは大切です。しかしそれだけでは、人を惹きつける文章は書けない気がします。良い文章を書くには、自分自身の内面を磨くことも大切です。

参考:『文章力が、最強の武器である』(SBクリエイティブ)

   『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

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プロフィール

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藤𠮷 豊

編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、男性情報誌、自動車専門誌、2誌の編集長を歴任。

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小川 真理子

編集プロダクションにて、雑誌や企業PR誌、書籍の編集・ライティングに従事。フリーになった後は、電通レイザーフィッシュにて企業のWEBサイトのコンテンツ制作に関わり(非常勤)、仕事の幅を広げる。

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