コラム

文章を上達させたいなら、とにかく書く

 文章のプロの多くが、
「文章を上達させたいなら、とにかく書きなさい」
 と口を揃えます。

 なぜ、書く量と文章力は比例するのでしょうか。作家の井上ひさしさんは、

「文章を書くことは、話す、聞く、読むことのように半ば自然発生的なものではなく、強制されてようやく身につく能力であり、それも使っていないとすぐに錆さびつくという厄やつ介かいな能力なのである」

『自家製 文書読本』/新潮社

 と述べています。
 文章は、「上達したい」と思って書き続けないと、決してうまくはなりません。使わない刀が錆(さ)びるように、使わない文章力も錆びてしまいます。

 自分を強制的に「書く」ことに向けるには、

・20分でも30分でもいいから、毎日時間を決めて書く
・決めた時間はとにかく手を動かし続ける
・書く機会を増やす

 ことです。

【書く機会を増やすアイデア】

 文章の達人たちが挙げているのは、次の7つです。

①新聞や雑誌、ネットに投稿してみる
②日記をつける
③ブログを書く
④葉書や手紙を書く
⑤メールへの返信を丁寧に書く
⑥映画や演劇、本の鑑賞ノートをつける
⑦読んだ小説のあらすじをまとめる

 文章がうまくなる近道は、書いた文章を誰かに見せて「添削してもらうこと」です。
 しかし、誰かに添削してもらうのは、なかなかハードルが高いかもしれません。添削をお願いするのが難しいときは、「半日か1日くらい時間を置いて自分で見直してみる」ようにします。
 少なくともひと晩、時間を置いてから見直すと、書いたときとは違う気持ちで文章と向き合うことができます。字句の間違い、論理構造が破綻しているところなども発見しやすくなります。

 書かなければ、始まりません。文章がうまくなりたいなら、「今日」からとにかく書き始めましょう。

参考:『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

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プロフィール

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藤𠮷 豊

編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、男性情報誌、自動車専門誌、2誌の編集長を歴任。

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小川 真理子

編集プロダクションにて、雑誌や企業PR誌、書籍の編集・ライティングに従事。フリーになった後は、電通レイザーフィッシュにて企業のWEBサイトのコンテンツ制作に関わり(非常勤)、仕事の幅を広げる。

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